老いも若きも男女問わず昼間から1杯やっている魚屋さん
地下鉄御堂筋線・新大阪駅北改札口に直結した「新なにわ大食堂」は、「ステーキハウス ロマン亭~オンス~」やスペインバルの「BELLOTA+」など、オシャレな店舗が11軒立ち並ぶ駅コンコースのスポットだ。ここに飲んだくれの店が、異彩を放っているのをご存知だろうか。店名よりも目立つ大きな看板に“海鮮が安いだけの店”と書かれた「魚屋スタンドふじ」だ。
入口の黒板には、開店当初から書かれている「朝から 呑める 素晴らしい」の文字が。その下には、生ビール、ハイボール、サワー、焼酎、日本酒などのアルコール類はいずれも300円台で飲める案内と、本日のオススメが書いてある。たこてっさ、カマ塩焼き、鯛とうふがいずれもお酒と同じ300円台。地酒も常に15種類以上用意され、ラインアップも充実している。
中に入ると、34席あるカウンターと4卓16席あるテーブル席が選べる。私は次の用事までの30分が勝負なので、カウンターを選ぶ。ここはJR新大阪駅北口にも通路でつながっているため、私のような新幹線を待つチョイ飲みの利用者が大勢いるのだ。
カウンターの上には「新幹線待ちの方 そこそこ早い料理一覧」のメニューも。多くの人が頼む「新幹線よりも早い刺し身三種盛り」を敢えてスルーし、隣のおじさんが頼んでいた「大阪魂 魚盛り」をオーダーした。このメニューは16時以降じゃないと出ないらしい。
「大阪魂 魚盛り」は日によって内容の変わる刺し身8点盛りだ。この日は、中トロ、赤西貝、毛ガニ、きびなご、カンパチ、甘エビ、あじ、クジラだった。中トロ、カンパチは脂が乗り、甘みがある。生肉に近いクジラを刺し身で出す店も珍しい。これほど新鮮な魚を出すのだから「原価割れするのでは?」と思う人もいるかもしれない。でも、心配は無用だ。水産会社の直営店のため、問屋価格で品出しができるのだ。
「魚盛り」の他にも、すぐに出てくる「おでん盛り」をオススメしたい。コンビニおでんの2個分はあるビッグなだいこんと糸こんにゃく、たまご、ごぼう天がよく染みている。なお「魚屋スタンドふじ」は、JR新大阪駅直結の「レム新大阪」と目と鼻の先だ。一杯やってホテルに向えば、いつもよりぐっすり眠れること請け合いだ。
ライター/横山由希路
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