行列の先に幸せがある。味も量も納得のイタリアン
「全員お揃いになられてから、ご案内いたします。何名様ですか?」 新大阪近くの西中島。新御堂筋から二筋入ったところに行列のできるイタリアンがある。店の名前は「トラットリア チェーロ」。ビジネス街に近いせいか、男女問わず会社員が連れ立ってやってくる。
ここの特徴は、1,000円強のパスタランチで、ちょっとしたコース気分が味わえるところ。イタリアンと聞くと9割型女性客だが、男性が押しかけるのがよくわかる。男子も納得の量なのだ。
まず前菜が「前菜の盛り合わせ」「野菜たっぷりスープ」「野菜たっぷりサラダ」の3つの中から選べる。友人はパテなど4種をあしらった「前菜の盛り合わせ」、私は自家栽培の「野菜たっぷりサラダ」をオーダー。25センチ四方もある大ぶりの白い皿にこんもりと盛られたサラダは、ルッコラをはじめ、摘みたてとすぐわかる甘さが口に広がった。
お次はメイン。手打ちパスタ、リゾット、パスタグラタン、日替わりパスタ2種の合計5種類から1品を選ぶ。私は手打ちパスタの「ササミと枝豆のオイルバターソース」を、友人はパスタグラタンの「アサリとブロッコリーのクリームソース」を頼んだ。モチモチとした手打ちパスタは、にんにくの効かせ方が上品で、今にも白ワインを頼んでしまいそうだった。
大変なのは友人だ。幅15センチ強の小ぶりながら、深さが10センチもある皿には、グラタンがたっぷり。深さがあるため、食べても食べてもアツアツのグラタンに友人は汗をかきっぱなしだった。男性でも食べ出がある。友人曰く「人生でこんなにグラタンに苦戦したのは初めて」。
チェーロは、これで終わらない。最後にやはり25センチ四方の大皿に盛られたデザートの盛り合わせがやってくる。この日は「パイナップルコンポート」「キャラメルバナナのタルト」「カプチーノのパンナコッタ」の3種盛りだった。タルトは朝から1つ1つ丁寧に焼かれている。ここに珈琲、紅茶、エスプレッソのいずれかが付いてくる。
入店前に「お並びのお時間は30分以上いただきます」と言われたときは、心が折れかけた。時間が14時前だったからだ。でも納得。並ぶ価値がある。教えてくれたライターの友人に感謝したい。
ライター/横山由希路
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