MAIL MAGAZINE Vol.1 2021
遠出のできない今だから！
東京の出雲大社で密を避けてお参りを
六本木交差点の「アマンド」を背に横断歩道を渡り、左に曲がって六本木通りを渋谷方面に向けて歩く。高級スーパー「明治屋」を右手に見ながら、「ファミリーマート」の角を右折する。その角から身長165センチの女性の足でちょうど80歩目にあるのが、「出雲大社東京分祠」。出雲大社の「だいこくさま」は全国に祀られているが、東京分祠はその１つに当たる。紫の地に白字で書かれた「出雲大社東京分祠」の幟がなければ、正直神社と思わず、そのまま通り過ぎていたかもしれない。白い鉄筋コンクリート造の建物の3階がお社だ。
3階まで登ると、都会のど真ん中とはいえ、空気が少し澄んでいるように感じる。神様にお参りする前に、まずは左手にある手水舎へ向かう。新型コロナウイルスによる衛生上の都合により柄杓はなく、手をかざすと自動で水が流れる仕組み。さすが大都会だ。次にお神輿ぐらいの大きさの祓社（はらいのやしろ）で心身を清め、「祓い給え清め給え」と3度唱える。コロナ禍の今こそ、しっかりと穢れを祓いたい。
拝殿に進むと、ちょっとびっくりするのが拝礼作法。出雲大社は「二拝四拍手一拝」なのだ。神様の前で気持ちを落ち着けた後に、背中を丸めずに体を15度傾けて礼をする。背中をまっすぐにしたまま90度に腰を折って、まず一拝目。そして二拝目で、お祈りをしながら90度に腰を曲げる。右手をずらしながら四拍手した後、また腰を直角に折り一拝。そして体を15度傾けて礼をする。これでお参りは終了。こぢんまりとしたお社ながら、赤絨毯の拝殿内部は意外と広い。出雲大社の分祠とあって、祈祷も多いそうだ。
社務所の方によると、「お参りで感染をしたら元も子もないので、密を避け、平日の昼間にゆっくり参拝してほしい」とのこと。神様は逃げないため「初詣は慌てずゆっくりと」がコロナ禍の参拝マナーだ。
御朱印は、出雲大社で唱えられる神語「幸魂奇魂 守給幸給」の印が押されたもの。これは浄土宗・浄土真宗の「南無阿弥陀仏」に相当する。なお書き置きの御朱印はなく、授与所で朱印帳をいただくとその場で書いてくださる。個人の朱印帳を持ちこんでも書いていただけないので、そこは要注意だ。
ライター／横山由希路
