出張族もファミリーもノマドワーカーも。 全対象オススメの都会の使える図書館
何故もっと早くこの場所を私は知らなかったのだろう。都会のど真ん中に、誰でも無料で利用できる閑静な図書館があったことに心底驚かされた。その場所は、六本木・東京ミッドタウンタワーの「リエゾン・センター ライブラリー」。本もPCも持ち込みOK。窓辺に広がる景色は、港区立檜町公園とミッドタウン・ガーデン。眺望よし、疲れ目によし、居心地よし。Free Wi-Fiも電源も使えちゃう。少なく見積もってもホント、最高、最高なのだ。
100平米ほどの白を基調とした室内には、16席ある。入口付近に置かれているのは、「新刊・デザイン関連本紹介コーナー」。私が伺った時には、W.ユージン・スミス&アイリーン・美緒子・スミスによる映画『MINAMATA-ミナマタ-』原案写真集や、話題の筧裕介「認知症世界の歩き方」が並んでいた。
その他、東京ミッドタウンや六本木の美術館・ギャラリーが発信するWEBマガジン「六本木未来会議」による「デザイン&アートの本棚」も。マガジンに登場したクリエイターが「クリエイションのスイッチを教えてくれる一冊」を紹介していて、これが面白い。女の子がお尻を突き出したパンチのある表紙の手塚治虫「人間ども集まれ! 完全版」を紹介したのは、チームラボ代表の猪子寿之。小学館の図鑑NEO「新版 恐竜」を挙げたのは、デザイナーの祖父江慎だ。「恐竜図鑑を年代別に並べると、昔は四足歩行だった恐竜も研究が進んで、今では二足歩行に」など、マニアならではの推薦コメントも興味深い。
「リエゾン・センター ライブラリー」は東京ミッドタウン・デザイン・ハブ内にあるため、デザインに関する書籍や雑誌も取り揃えている。書籍は「伝え方」「地域コミュニティとデザイン」「企業のモノづくり」「アート」「思想・哲学」など、分野も多岐に亘る。雑誌は、「新建築」「BRUTUS」「ブレーン」などのバックナンバーも揃う。
ここまで読んだ人は「都会の大人に向けたオアシスね」と思うかもしれない。実はライブラリー内に絵本の棚もあり、ファミリーにも門戸が開かれている。建物横の檜町公園で遊んだ後に、お子さんと絵本を選んでみるのもよさそうだ。なお本の貸し出しはできないが、一部の本はQRコードからAmazonで購入できる。
ライター/横山由希路
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