MAIL MAGAZINE Vol.12 2017
女性がスープを飲み干すとんこつラーメン
「宇宙一美味いラーメン屋さんだから食べてね」
鹿児島出身の女の先輩が、ゴリ押ししてくる。食通なのに、自身も料理上手なのに「できれば1日3食、ここのラーメンが食べたい」と言うのだ。その店は「くろいわ」。鹿児島・天文館にある本店のほか、県内に鹿児島高校前店と伊敷店がある創業約50年の老舗ラーメン店だ。
メニュー（※）は、くろいわラーメン、チャーシューメン、味噌ラーメンに、卵と自家製チャーシューがたっぷりのチャーハンと餃子。看板メニューのくろいわラーメンを迷わずチョイスする。食べ放題の付け合わせである大根の漬物をポリポリかじっていると、すぐにお目当てのラーメンが到着する。
比較的柔らかめの中太麺の上には、茶色く焦がした焼きねぎ、その場で茹でた細長いもやし、青ねぎがたっぷり。スープは透明感があり、白みがかったアイボリー色。やや薄めにカットされたとろとろの自家製チャーシューが3枚乗っている。
スープは、コクがあるのにあっさり。とんこつだけでなく鶏ガラからもダシを取ったせいか、脂がしつこくない。やさしくて、少し甘味を感じさせるスープだ。このスープを味わっていると、どんぶりの底に沈むもやしが延々と食べたくなる。女の先輩が「スープを全部飲み干せる」と言うのもうなずける。
「食べ終わったら、お土産として、くろいわラーメンを自宅に送るべし」 実は土産の件まで、先輩にゴリ押しされていた。理由は自宅の白ご飯のお供として、このスープが絶妙だからだと言う。確かに店のメニューにライスはない。もともと自宅配送まで考えていなかったのに、無意識でレジで宅配便の伝票を書いていた。
くろいわラーメンが冷蔵便で届いた。中華麺、細長のもやし、ねぎが個別包装され、肝心のスープは全く濃縮していない。麺完食後は、白米ともやしをスープに投入。白ご飯と茹で野菜によく合う、ちょっとゴージャスなスープとして楽しんだ。気になった人はインターネット通販で、1個から買うことができる。
※メニュー＝味噌ラーメン、チャーハン、餃子は、本店と伊敷店のみ。
ライター／横山由希路
