外国人客へのお土産やお祝いの品を探すのにピッタリな老舗
オリンピックを2年後に控え、東京の街は外国人観光客で賑わっている。なかでも混雑するのが銀座で、一昔前では外国人が訪れなかった店にも海外の方が足を運んでいる。そのうちの1軒が、歌舞伎座の斜向かいにある「銀座 大野屋」だ。明治元年創業の足袋屋さんである。
漆黒に塗られた外観の大野屋は、とても小さな店だ。店舗は6畳ちょっとの広さだが、品揃えは豊富で、足袋、手ぬぐいなど、大野屋オリジナルの商品が400種類以上ある。私が伺った時は、中国からのお客さんが5人いたため、店内ですれ違うだけでも大変だった。
普段使いの白足袋や歌舞伎座で働く人が愛用する紺地の足袋はもちろんだが、表生地と底生地で色が違う柄足袋の扱いの多さに驚く。唐草や桜花びらなど、和物の柄で足袋にしていないものはないのではないかと思うほどだ。黒地に音符や動物など、アバンギャルドな絵柄も多い。職人さん御用達の店だけに、サイズは5ミリごとに用意されている。
大野屋で一番品揃えが多いのが、手ぬぐいだ。歌舞伎座のお膝元ゆえ、海老蔵、勘九郎などの人気役者をはじめ、成駒屋、中村屋、高麗屋、松島屋、播磨屋など各家の家紋入り手ぬぐいが揃う。そのほか、助六、鳴神など歌舞伎の登場人物の隈取、浮世絵、美人画といった外国人客に人気のものから、七夕や花火などの風物、野菜、生き物シリーズにジャズバンドまで。これらが概ね1000円以下で買えるのが嬉しい。生き物シリーズは「羊が百匹」「筋肉龍々」「ウリとウリ坊」など、商品名もユニークだ。
「手ぬぐいは日常生活では使わない」という人には、ハンカチのように縁取りが施された半手ぬぐいや、ガーゼ手ぬぐいがオススメだ。とくにガーゼ手ぬぐいは吸水力が抜群で、500円以下で買えることから、お土産はもちろん、ちょっとしたお礼の品にも使える。
以前、購入してとても喜ばれたのが、子供用の甚平だ。和柄を中心に、身長90センチまでサイズが用意されている。出産祝いを贈っても、他の人とかぶらないのが嬉しい。また、還暦祝いに使える浴衣地シャツもある。6畳ちょっとの広さだが、赤ちゃんからおじいちゃんまで、幅広い年代の品が揃うのが「銀座 大野屋」なのだ。
ライター/横山由希路
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