女性向けの内装ながら 老若男女に愛されるオアシス空間
店の中央には、モンブランのケーキを模したレンガ造りの小高い山。周りには皇居のようなお堀があり、そのお堀を木造りの座椅子とパンダのぬいぐるみが囲む。お堀に張られているのは、約40度のお湯。やや湿気を帯びた店の暖かい雰囲気に、思わず眠くなってしまう。
ここは日比谷線・仲御徒町駅付近にある足湯カフェ「HOGUREST(ほぐれすと)」。足湯メニューが1ドリンクつきの30分から楽しめ、仕事帰りや上野の観光中にふらっと寄れるのが嬉しい。足湯の座席は20席。レンガ造りの山を囲む一角と、御徒町の街が窓から見下ろせる一角があり、入りたい足湯のコーナーを選ぶことができる。
足湯には、ピンク、イエロー、オレンジ、赤……とポップな色彩のゴルフボールが無数に沈む。椅子に添えてある「足の反射区」を見ながらゴルフボールを足裏でコロコロと転がしていると、「酷暑でも汗をかきにくい」私でも額や首筋にじんわり汗がにじんでくる。さらに1ドリンクで頼んだ「発酵ハーブティー美貌茶」の効果もあってか、体全体が火照ってくる。
カフェは足湯だけのコースのほか、「HOGREST」自体がリラクゼーションサロンでもあるので、オプションのついたコースもある。湯に浸かりながら頭・首・眼輪筋をほぐす「プラス眼精疲労5分コース」に、首・肩・肩甲骨・腕のマッサージがつく「プラス肩こり解消10分コース」や、足湯後に個室にて膝から下をほぐす「プラスむくみ解消15分コース」など。私は「肩こり解消10分コース」を選ぶと、足湯のラスト10分で肩や首をもみほぐしてもらった。「このまま眠りこけてしまいそう」と思いながら、お借りした短パンから着替えた。
足湯付近にあるのは、アートの写真集や海外のカルチャー誌。眼精疲労のお客さんが多いせいか、活字から離れてもらうために写真がメインの本を置いているのだろう。でも、カップルや友だち同士で来店したら長居したくなる。店の奥には長期連載の少年・少女漫画が単行本でズラリと揃っているほか、健康雑誌をはじめ、週刊誌、ファッション誌もあり、老若男女を飽きさせない。リラクゼーションサロンがベースながら、漫画喫茶のようにカジュアルに使える。御徒町のオアシスなのだ。
ライター/横山由希路
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