日本在住の中国人も多数訪れるピリ辛麺。 おいしく食べるそのコツは?
おいしい。だけど行列ができるほどじゃない。知る人ぞ知る店だったのに、今やすっかり人気店。理由は朝の情報番組で、女性の芸人さんがロケで訪れた後も味が忘れられず、足繁く通っているとSNSで話題になったからだ。 その店は刀削麺・火鍋・西安料理の「XI’AN(シーアン) 有楽町店」。JR有楽町駅の改札をビックカメラ側に出て、線路に沿って新橋方向に少し歩いたところにある。 一番人気のメニューは「麻辣刀削麺」。丼の中はクリスマスカラーといった塩梅で、花椒と山椒がたっぷりの朱色のスープにパクチーと茹でたいんげんが載っている。ちなみに注文時にパクチーの有無を聞いてくれるので、苦手な人もご安心を。そして麺はつるつる、モチモチ。小ぶりなすいとんのようで、食べごたえがある。 真っ赤なスープと聞くと、「辛いのが得意な人しか食べられないのでは」と思われそうだが、辛さをあまり感じることなく、おいしく食べ続けるにはちょっとしたコツがいる。スープの上はパンチの効いた花椒と山椒が浮いている真っ赤な油分の層、下は豚肉の甘みが存分に引き出された肉味噌の層。辛い層と甘い層でスープが分離しているので、とにかく頻繁に混ぜることだ。そして勢いよくすすらない。 中国の本場・西安で麻辣刀削麺を食べた時のような口唇全体がビリビリと痺れるほどではないが、肉味噌の甘みにつられて勢いよくすすると、喉の奥に花椒と山椒がヒットして、間違いなくむせるので要注意だ。 中盛と大盛があるが、男性客は軒並み中盛にしてプラスでもう一品頼んでいる。小ライスだ。油分たっぷりのスープなので、麺の食べ終わりまで温度がほとんど下がらない。そして下には甘い肉味噌の層があるので、そこにライスを投入する。混ぜて、甘辛い雑炊にして食べるのだ。 ちなみに私が夜のメニューで一番好きなのは、「絶品!ナスの山椒揚げ」。素揚げしたナスを花椒と山椒などで絡めたものだが、これを頼み始めたらビールが止まらない。「ランチは夜のメニューを下げてしまうのか……」と思っていたら、なんと他のテーブルで頼んでいる人たちがいた! 複数人で訪れたらオーダーをぜひ。料理をする人は、自宅で再現できないかと思うこと必至だ。
ライター/横山由希路
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