ホテル阪急インターナショナルの宴会調理に配属され、温かい料理を担当するホット場で、調理の基礎を学びました。初めて経験する大量調理で、その数と宴会場の規模の大きさに圧倒されたことを覚えています。量だけでなく、レストランのような質への高いこだわりにも驚かされました。
過去に1年間フランスへ留学していた経験があるので、その経験を活かしてやろうと意気込んでいたものの、一流の環境に苦戦する日々でした。盛り付けや料理の構成を考えたり、シェフが考えたメニューを試作したり…自分で考えたことの具現化がうまくいかず、もどかしさを感じながら働いていました。
13年目に再び宴会調理へチーフとして異動し、今度は冷たい料理を担当するガルドマンジェに配属。未経験の冷製料理に後輩の指導、苦労することは多かったですが、15年目には温製・冷製の調理場を統括するシェフに就任しました。調理に加え、他部署とのパイプ役として、チームづくりの部分にも貢献する立場へ変化しました。
ホテル阪神大阪へ異動し、ビュッフェレストラン「ネン」のシェフに就任しました。初めてのビュッフェでの調理に加え、レストランのリニューアル立ち上げにも携わり、初めての経験ばかりでした。立ちふさがる問題を解決しながら、ファミリー層をはじめとした幅広いお客様に楽しんでいただけるレストランづくりに注力しています。
ビュッフェレストラン「ネン」のシェフとして、四季ごとに変わるメニューの作成やレシピづくりを担当しています。お客様に季節を感じてもらえるようなメニューづくりを行っています。常に先の季節を考えているので、冬には春のメニューの仕上げと夏のメニューを考案します。頭の中に3つの季節が同時にある状態は大変で、そこがビュッフェならではの難しさです。また、ビュッフェの担当になってから考えるようになったのが、「料理の耐久性」。想定以上の時間置かれていても美味しく食べられるように、試行錯誤を重ねています。
これまでのキャリアで、多彩な経験を積んできました。シェフまで成長し、料理以外にも目を向けられるようになったからこそ気付いた魅力も多くあります。宴会調理では、婚礼やディナーショーなどお客様にとって大切な日の料理を提供できる喜びを。レストランでは顔合わせや記念日を彩る高級食材の数々を扱うための技術や知識を。そして、ビュッフェでは、オープンキッチンの性質を活かし、お客様と関わることの楽しさを得ることができました。これまで以上にお客様と交流できる機会が多いことで、直接お褒めの言葉をいただける、それこそがビュッフェの一番の魅力です。
シェフの仕事は、料理をつくるだけではありません。一緒に働くチームメンバーの育成も重要な仕事。チームづくりで意識しているのは、「誰かのためだけの仕事はない」という考え方です。業務内容に対して、新人や先輩など担当の区別をつけず、洗い物もゴミ捨ても全員の仕事として捉えています。そうすることで、若い世代が成長しやすくなると考えています。すべての仕事に全員が当事者意識を持てるよう、まずは自分がやって見せる。その姿勢を大切にしています。